イノセント・ボイス
久しぶりに映画というものをみた。
舞台は1980年代中米エルサルバドル。
軍事独裁政権にクーデターをおこしたゲリラ軍との内戦は
12年もの年月を費やした。
タイトル通り無垢な少年チャドは
内戦の真っ只中死と隣り合わせの生活を送る。
一つ上の友人は学校で徴兵された際に失禁していたのに、
再会したときは誇らしげに軍服を身にまとい機関銃を打ち鳴らした。
年齢差わずか一歳にして何がその違いを生み出すのだろうか。
教育なのか、慣れなのか…もしくは全く別の…。
夜戦に巻き添えになって死んでしまった友人。
禁止されているラジオの携帯。
ガールフレンドとの出会い。
チャドが悲惨な現実を目の前にしてもそれを受け止めて理性的に行動するには
11歳という年齢はまだ幼すぎた。
その幼さで真っ直ぐに生活を送る姿を描いた姿には心を打たれる。
エルサルバドルからアメリカへ逃れた経験ある監督によって創られた本作は
内戦の実情がとても現実的なものに感じられた。
少年兵については
ぼくは13歳 職業、兵士。―あなたが戦争のある村で生まれたら: 鬼丸 昌也, 小川 真吾: 本
を以前読んだことがあり、今回の映画をきっかけにまた読み返す良いきっかけになった。